グッバイ・小田急百貨店新宿店本館 変わり行く西口のレクイエム
新宿西口にある象徴的建物、小田急百貨店本館・・・・去年閉館し全く新しい建物になるそうです。
新宿と言えば東口が中心でしたが、これから始まる西口の一大再開発により、全く違う様相になっていくと思います。
東口は、歌舞伎町、三越、アルタ、伊勢丹、ゴールデン街、2丁目など象徴的なアイコンが多数存在します。
歓楽街としては銀座を上回る規模で、風俗店も多数あり危ない街のイメージが強く、あまり印象がよくありません。
一方、西口は都庁もあり、ややおとなしく「ザ新宿」として物足りなさを感じてしまいます。
そんな地味な西口が、別の街になろうとしています。
小学生のころ、場所柄(世田谷の新宿より)買い物は京王か小田急、または伊勢丹でした。
買い物につき合わされるのがいやでも、上層階にある「レストラン」のお子様ランチに誘われてデパートに出かけた事を思い出します。
今日は、ちょっとした用事がありまして・・・新宿に行きます。
下北沢の急行専用ホームから
小田急線に乗ります。
久しぶりに先頭車に乗りました。
あまり気乗りしないデパートの買い物・・・先頭車に走っても背の届かない窓・・・抱き上げられて見た・・・すれ違うロマンスカー・・・・。
10分ほどで夢と希望に満ちた憧れの新宿に到着です。
改札口を出て
都庁方面に向かい
ロータリーを右に行きます。
目的は、このビル。
モード学園コクーンタワーです。
地上50階、2008年に丹下都市建築設計により設計された、エンポリス・スカイスクレイパーで1位(2008年)の賞を受けたビルです。
日本で1位はこのビルだけで、他に渋谷セルリアンタワー10位、六本木ヒルズ森タワー5位、住友不動産六本木グランドタワー10位があります。
西口ロータリーを背に右側の通路を
都庁に向かって歩きます。
振り返ると解体を待つ小田急百貨店本館がありました。
小田急百貨店の前にあったスバルビルの地下にある「新宿の目」です。
今まで何人の行きかう人を見てきたのでしょうか。
うれしさに笑みを隠せず歩く人、時には頬をつたう涙をぬぐいながら先を急ぐ人・・・。
西口のスバルビル、今はありません。
コクーンタワーの下にすぐに着きました。
入り口の隣におおきなブックファーストというブックストアがあります。
目的はここです。
理由はトップシークレットです。
役員の命令です。
ここまでしか言えません。
コクーンビルから地上に出ると
新宿の空にささるビルがありました。
薄日が新宿西口を照らすと
冷たい風にわずかな雪が舞っていました。
レストランの窓から見えた大きなスバルビル・・・小さい土地に変わっていました。
小田急百貨店本館です。
百貨店の建築と同時に移転してきた「時屋」さんです。
ドラえもんのどらやきのモデルになったと言われているお店です。
その並びに同じ歴史を持つ「喫茶店」ピースがあります。
昭和にタイムスリップしそうなほど「そのもの」です。
こういうとき「エモい」であっているでしょうか。
ここも再開発の中で時の狭間に埋もれてしまうのでしょうか。
先を歩くと営業を終え解体を待つ小田急百貨店本館がありました。
見上げると、あのレストランの窓が見えました。
付き合わされた買い物に疲れきった窓の向こう、スバルビルの後ろに立ち並ぶ高層ビル群・・・・楽しみにしていた「お子様ランチ」・・・すねて本当は食べたかったけど・・・
泣きながら「もう大人だからナポリタンでいい」って。
壊されていく窓の向こうにもう食べられない「お子様ランチ」の旗が時空になびいていました。
帰ります。
これに乗りたい!
「ダメだって・・・早くしなさい・・・電車出ちゃうでしょ!」
「そんなに強く手ひいたら腕がとれちゃうよぉ!」(涙)