広州家具見本市 2
家具のトレンド・・・・何か久しく使っていなかったワードです。
一体こんなものが存在するのでしょうか。
インテリアに流行などあるの・・・?です。
僕自身、この5年間すっかり忘れていたような気がします。
5年前までは、まず1月にドイツのケルンの展示会(ケルン・メッセ)に行き、ついでにパリやミラノの街を見てトレンドを感じ、3月の広州でそのトレンドをフィードバックし、9月の上海でさらに濃くすると言った流れでした。
当時、家具の産地がイタリアやドイツから中国に移ったことから、トレンドをケルンやミラノで吸収し、「実際の売買は広州、上海で」ということが世界のバイヤーの常識でした。
いずれにしてもおそらく家具インテリアの「トレンド」は存在するものだと思います。
それを短期間の展示会で「どのようにつかむか、あるいは感じるか」なのです。
これがプロのバイヤー・・・バイヤー魂、ファイヤー!だー!でしょうか。
でも・・・これが行ってないと難しい・・・感とか慣れみたいなものがあって場数ふまないとムリです。
バンドと同じでスタジオで上手くいっても、ライブでは上手くいかないものなのです。
スタジオで何回練習してもスタジオで上手くなるだけで、ライブではムリなのです。
オーディエンスからダメ出しされてなんぼで、ライブの回数稼ぐしかないのです。
バイヤーも似たようなもので、商品選んで上司から「なんやこれ」「売れないもん買った責任とれ」とありがたいお言葉をいただきながら成長するものです。
さて5年のブランクでどこまでできるか・・・・だいぶ不安です。
舞い上がった飛行機は低い雲を下に従え青い空に同化していきました。
広島上空から
厳島(宮島)のカキ棚を見下ろします。
宮島のオイスターです。
シャンパンでもやりたくなりますが、僕は飛行機では一滴もアルコールは飲みません。
過去の経験上(僕の場合ですが)仕事に影響するからです。
ワイン一杯でもダメです。
しばらく海上を飛ぶと中国大陸が見えてきました。
何回行ってもその近さに驚きます。
上海上空から
何か綺麗な湖を過ぎると
広州が見えてきました。
広州白雲国際空港が見えてきました。
空港から市内への距離は80キロ程です。
世界でも有数な巨大空港のひとつで着陸待ちは当たり前です。
そのおかげで広州市内を上空から見せていただきました。
5年ぶりの広州です。
珠江(川の名前)沿いにそびえる高層ビル街です、
無数に建つ50階建てビルの中央にひときわ高いビルが111階建てのCTF金融ビルです。
とにかく5年前に比べ、高層ビルの数が「半端ない数」になっています。
まるで高層ビル(40から50階)の海です。
飛行機はまるで遊覧飛行のように広州の中心部を旋回し、着陸態勢に入りました。
市内から空港方面の郊外には、タワマンの団地が
いくつもありました。
5年前も「1年おきに変わる姿」に驚いていましたが、5年ぶりとなるとそのインパクト凄すぎて何も言えない感じです。
飛行機は、滑走路に向け高度を下げ
広州の地に
着陸し
ターミナルに向かいました。
ドアの向こうは5年ぶりの広州です。
飛行機にお礼を言って
出口を目指して歩きます。
入国審査(イミグレーション、通称イミグレ)は、外国人で混んでいました。
所要30分、以前より混んでいるイメージです。
みなさん、見本市でしょうか・・・・なわけないので、やはり世界的な旅行ブームなのでしょう。
前の一団は韓国からの旅行者です。
CPOPの推し活でしょうか、最近CPOPもかなりレベル上がっています。
オルタナ系バンドも凄テクが結構います。
イミグレで「仕事で滞在期間2泊3日」と答えると、「どんな仕事?」と聞かれ、「家具」と言うとCIFF(展示会の名称)とすぐに帰ってきました。
それほど有名なのでしょうか。
イミグレを終え
まだ空いている到着ロビーの免税店を駆け足で抜け
預けた荷物は無いので
出口に急ぎます。
今日から見本市参加のため時間との戦いです。
出口から
地下鉄を目指します。
タクシーは待ち時間もあり、渋滞、しかも7,000円と非効率なため、時間が命、地下鉄一択です。
案内に従いエスカレーター降りると
すぐに駅でした。
空港に新しい駅が出来ていて(5年前は結構歩きました)凄く近くなっていました。
羽田の京急より近い感じです。
さて、ドキドキの自販機です。
なぜならキャッシュレスだからです。
もし、使えなければ・・・・歩いて70キロってムリです。
まずタッチパネルに触れると、路線図が出てきます。
次に、行きたい駅をタッチすると金額が表示されます。
人数が同時に表示されるので、僕の場合1をタッチします。
そして「アリペイ」をタッチします。
QRコードの読み込み画面が出てきます。
これを事前に日本で登録済みのスマホアプリを起動してと・・・と、なにかマゴ付いているうちに画面が戻ってしまいました。
またゼロからと、同じ失敗を繰り返してしまいました。
そっか、アプリの起動が先で解決でした。
こんなにマゴついても怒る人いません。
なぜならば、皆さんこんな自販機つかわず、スマホで改札抜けているからです。
「チャリーン」という電子音とともに
チケット代わりのプラスティック製のメダルが落ちてきます。
これは5年前と変わりません。
改札口の
丸い印のところにメダルを置くとゲートが開き
地下鉄のホームに降ります。
基本的にすべての駅はフルカバーで、横に動くエレベーターでしょうか。
因みに、時刻表はありません。
始発と終電の時刻の間に10分間隔の表示だけです。
確かに、東京でも地下鉄乗るとき時刻表など見たことないかぁ・・・。
地下鉄がホームに到着し、
ホームのドアと地下鉄のドアが同時に開いて乗車し
50分くらいの乗車なので座ります。
始発駅に近いため余裕で座れました。
市内中心に近づくと昼とは言え、通勤電車なみの混雑になってきました。
途中、客村(クーソン)で降りエスカレーターを上り
8号線に乗り換えます。
5年前はここまで1回乗り換えでしたが、今は直通になっています。
さらにエスカレーターを上り
8号線を待ち
地下鉄に乗車します。
琶州(パージョウ、会場の名称にもなっている)駅で
下車し
改札機にメダルを落とし
会場の案内に従い
長いエスカレーターを上り
会場に到着しました。
下北沢から8時間くらいでしょうか、
こちらも自動登録のQRで・・・と思ったら、この入り口別の登録が必要らしくスマホでWIFIつなげても全然ダメで、困っていると若い男子が必死に僕のスマホ使ってトライしてくれました。
会話は彼のスマホで彼のスマホ経由で、さらに暗唱コードまで彼のコード使ってやってみましたがムリでした。
最後に、彼の翻訳アプリで「あなたのスマホ難しすぎます」で断念。
因みに僕のアンドロイドです。
彼にお礼を言って、彼が教えてくれた別のエントランスから入場しました。
遠くにいる彼に大きく手を振り「サクセス」の合図をして戦闘開始です。
5年ぶりに見る会場は、とにかく大きく見えました。
前は、1日あれば十分と思っていましたが、なんか甘そうです。
本館の横に
アネックス館が出来ていました。
図で事前に見たところ本館に比べ小さくて楽勝・・・と思っていたら「想像してたんとちゃうじゃーないですか」なでかさでした。
5年間のブランクですが、会場に入ると真剣勝負、そんなこと忘れてしまいました。
ただ、この雰囲気、新しい家具の匂い、行き交う人、「僕にとって聖地」だったと痛感した瞬間でした。
ブースに並ぶダイニングテーブル、チェア
ソファー、どれも新鮮でした。
大波のような家具の数・・・・・。
一体この中からどうやって買い付けていたのだろう・・・と少し自信を失ってしまいました。
うーん・・・みんな同じに見える。
少し違う。
アネックスとはいえ、ビッグサイトの倍くらいありそうで圧倒されそうです。
気を取り直し
会場を歩きます。
このチェアいかがでしょうか。
これも・・・・。
とりあえず、6月頃のリリースです。
バイイングの理由は秘密です。
ようやく、買い付けたところで終わりのアナウンスとなりました。
旅費だけは稼がなくてはいけないので、これだけでは足りませんが、ゼロではないので少し呼び水になってくれれば・・・・・と少し気が楽になりました。
ただ、本館には一歩も入れませんでした。
明日1日だけで全部・・・多分ムリです。
ピンポイントで行くしかない・・・・かなり追い詰められています。
外に出ると夕暮れが
ビルの窓に移していました。
目の前には無数の自動車の渋滞が音もなく・・・・・はっ!・・音もなくって音がないこと?
です。
みんな電気自動者です。
これも5年前にはありませんでした。
感覚では9割が電気自動車でしょうか、なんだか空気がきれいです。
当然、バスも電気です。
みんな電気です
5年前は、空気汚れてむせたこともありましたが、今は東京よりきれいな感じでした。
ホテルでチェックインを済ませ、窓の外を眺めていると・・・・立ち上がれません・・・・自分がだいぶ疲れていることに気が付きました。
プールで泳ぐために持ってきたスイムウエア・・・ムリ!
食事だけは・・・と階下のレストランに出かけるのがやっとでした。
広東料理のレストランでミシュラン星付きです。
ヌーベルシノワでしょうか。
コースは2人からなのでアラカルトで行きます。
ワインと言いたいところですが、出張中のアルコールは次の日にこたえるのでダメです。
突き出しのメロンです。
ブタバラ肉の炙り焼きで、左が皮をカリッと焼き上げたもの、真ん中がクラゲ、右が「はちみつ」で焼き上げたものです。
脂身がとろけるようで皮目のクリスピーが絶妙で、今まで食べたチャーシュー系では最高と言っても過言ではありません。
はちみつの焼きも中華の域を超えています。
さて、クラゲ・・・苦手ですが・・・もったいないので2本ほど食しましたが、味はいいのですが、食感がどうしてもだめで、残念ながら全てギブアップとなりました。
次は麺です。
麺は細い生麺を茹でた後、油とハーブで和えたものを
スープをかけながら
いただくものです。
油の麺とあっさり系のスープを好みで調整しながら食べます。
本場中国の手延べ麺は、それだけでも美味なうえに創作系であっという間に終わりました。
スープをかけるとこんな感じです。
焼きそばとつけ麺の「いいとこどり」でしょうか。
最後は、ココナッツに入った鶏ガラのスープです。
広州では、「いいスープが作れないと嫁にいけない」というほどスープが命です。
ココナッツの香りとコクがあるけれどあっさりしたスープは最高でした。
価格は、ミシュラン価格の8,000円でした。
それから・・・シャワーも浴びずにベッドで意識をなくしていました。