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中目黒祐二のブログ

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日記

下北沢に浮かぶ赤い月に思ひを馳せる


今週の火曜日11月8日は、一大天体ショーの日でした。
月が地球の影に完全に隠れる皆既月食の日です。
月食とは、太陽の周りを回る地球と地球の周りを回る月が太陽、地球、月の順番に一直線になり、地球が太陽の光をさえぎって月の光を無くしてしまう現象です。
月が地球の影を映すとも言えるでしょうか。
しかも今回は、その先の天王星まで隠れる442年ぶりの天王星食と同時皆既月食の貴重な日でした。
442年前、1580年。
日本は安土桃山時代、1573年に織田信長が足利義昭を追放し室町時代が終わり、織田信長の時代、いわゆる戦国時代の始まりでした。
その時代にもこの月を見ていたと思うと、時空を超えたロマンを感じてしまいます。
次回の同時「食」は332年後だそうです。
332年後にこの月を見た人たちは、今の時代をどのように見るのでしょうか。
と言うことで、下北沢の有名人にインタビューをしてきました。

「今日皆既月食って知ってます?」

「知らねーよ、ヒクッ・・」
「顔赤いですけどォ、酔っ払って上機嫌ですか?」
「お前も一緒に飲むか?」
「いえ、昼なんで、今晩皆既月食見なきゃいけないし、とりあえずだいじょうぶです。昼から飲んでるとアル中になりますよー。」
「うるせーな、よけいなお世話だ、赤くなるのが俺の仕事なんだよ、俺はセールスマンなんだよ、お前も早く仕事しろ」
「すみませんでしたぁ」

「今晩、皆既月食ですよ」

「・・・・・・・・・・・」

「お二人は、姉妹ですか、双子ですか、それとも親子ですか、ただの他人ですか、なんで無表情なんですか。」

「わたしたち、お互いの顔色うかがって生きてたら、表情を奪われてしまったの。」

「ああ、それでおふたりの顔色、微妙に違ってるってことですか・・・?」
「関係ないでしょ!悲しいこと聞かないで・・・早く去ってよ・・・あなたに私たちの表情とり返すことなんてできないくせに・・私たちに表情返せるっていうの!」
「失礼しました」

「幸せそうですね。今晩、月食見えるんですって」
「いや、ちょっとわかんねーな」

「ところで、お子さん泣いてますけど、どうされたんですかぁ」
「いや、ちょっとわかんねーな」

「うるさいぞ!お前の心はお見通しだ、お前は俺たちをブログのネタにしようとしてるだけだろ!」
「いえそんな・・・でも・・・あ、はい」

「幸せそうでも、人は心の中に疑い深いけものを飼っていて、顔で笑っても人に厳しく、それをお子さんが悟って泣いてるっていう理解であってますか?」
「いや、ちょっとわかんねーな」

「綺麗な人、今晩綺麗な月食が見られるみたいですけど、あなたよりきれいなものってあるんですか?」

「まー、あたりまえよ、世の中にわたしより綺麗なものなんてあると思う?」

「はっきり言っていいですか、あなたにこんなこと誰も言ったこと無いと思いますけど・・・あのぉ・・・・右のほほにごはんつぶ付いてますけど・・・」
「なんなの!からかってんの、バカにしないでよ!」
「いえ、ただお綺麗な方がだいなしだと思いまして、つい、おせっかいを・・・」

「えっ・・・ほんとなの・・・」
「はい」

「あら、ほんとうだわぁ!見ないでよ!」
「自分では気がつかないことってあるかと・・・実はあなたの裏側では左のほほにもついてます。」
「もっともらしいこといわないでよ!あたしのこと二重人格とでもいうの!それともあなたにあたしの裏がわかるの!」
「あのぉ・・・月の裏側も地球から見えないんですって・・知ってました?」
「うるさい!いいかげんにして、早く消えてよ!」

「よーし、月まで飛ぶぞー」
「今日、月食だけどだいじょうぶ?」

「イチ、ニー、サン、ジャンプ・・・飛んだぞ!」
「すごい!月食に間に合うかも」

「たいへんなんだよ、しんけんなんだから話しかけないでよ」
「わかった、がんばれ」

「応援ありがと、でもねほんとうは知ってるんだ、はかない一人芝居だってことを、気持ちはずっと飛んでるつもりだけど、1ミリだって飛べないよ、月なんてとても・・」
「それなら、飛ばなければいいんじゃない」
「ねー、僕にそんな選択肢があると思う・・?」
「涙がでそうだから行くね」
「イチ、ニー、サン、ジャンプ・・・飛んだぞ!」

「私が作るおいしいスパゲッティはいかがかな」
「下北沢でも月食見られるんですけど、どう思います。」

「パスタ作りで忙しいんだよ、パスタ食べないならあっち行け」
「えーと、パスタとスパゲッティってどこが違うんですか?」

「うるさいなぁ、用がないならあっち行けって言っただろ!それでも聞かないなら、こうやって、スパゲッティのように

丸めて

食べちゃうぞ!」
「ギャーーーーー、逃げろ!」

「今晩の月食どこで見ます?」
「ケーキを運ばなければ、待ってる人が大勢いるからね」

「ひとつ、君にもあげよう」
「いやぁ、ただより高いものは無いって言うし、この物価高でただはないでしょ」
「いや、僕は人に感謝されるのが好きなだけ、もらってよろこばれれば、それでいいのさ」

「ほら、もっていきなよ」
「ありがとうございます こんな感謝の言葉でいいでしょうか、でもたまに感謝するほうもめんどくさいことあるの知ってました?」
「もちろん、押し売りはダメだよ」
「それで、あなたのクビ、くさりでつながれてるわけですね」
「えっ・・・今なんて言った・・・くさりなんて僕には見えないけど・・・」

「すいませーん、ずーーーっと気になってたんですけどぉ、今はなしかけてもいいですか」
「ええ、まぁ」
「今晩、下北沢の空に皆既月食が見えるんですけど、ご存知でしたか?」

「へーーえ、こんな空に?」
「はい」

「こんな空にねー」

「ところで、いつもなんでいつもそこにいらっしゃるんですか?」
「わたしと言う物体を通して、人々のなかに違うわたしを創造して欲しいのよ」

「だから、顔も白いの、ただ最近マスクする人多くてわたしのアイデンティティが不足気味でフラストレーションたまりすぎなの」
「通る人があなたを見て、脳内で想像してあなたの顔に上書きするようなヴァーチャルリアリティのようなものですか?」

「あなたの説明難しい・・・でもちょっと違うんだなぁ、わたしの顔に上書きするっていうイメージじゃぁなくてぇ、エーアール、アグメンティッド・リアリティって言うのかな、拡張現実の世界って言うか、そこにある現実が違う存在物によって新たな現実を創造するっていうかぁ・・・
「よけい、難しくてなってますけど・・・要はエーアールってことですか?」

「ちょっと違うんだなぁ・・エーアールはね、スマホやパソコンの画面上に現れた視覚上のものをデジタル化して、現実とコンテンツをあわせて作るその現実から拡張された現実だけど、わたしの世界はあくまでも個々の人の脳内でわたしと言う現実をあらたに創造して還元されるべきまったく違う現実を脳内で再創造してさらなる現実を・・・」
「まったくおっしゃてる意味についてけてませんが・・・」

「そこがね、ちょっと違うのね、だって新たに再創造された現実をわたしというまったく別の現実に置き換えることによって起こるあなたの脳内で・・・」
「わかりました・・・もうすぐ月が昇るので帰ります」

「ねー、あなた」

「えらそうに、ほんとにわかってんの・・・・わたしの気持ち」

「ただねぇ、最近ちょっとね、たるいのよ」

その晩、下北沢の夜空に少し欠けた満月が昇りました。

その後、地球の影が月を隠しながら

時間の経過とともに

最後の光を残し

すべての光を消し、月が赤く染まりました。

月にワインを捧げると、月は光を取り戻し、下北沢にはいつもの雑踏がありました。

 

注:ぼくの愛用デジカメでシャッタースピードを遅くして撮影したため
手振れが生じてしまい200枚撮ったうちでこれしかまともなものがありませんでした。